物語の面白さというのは一つではありません。
これはジャンルとは別の考え方です。
これを知らなくても書けますが、知っていると物語の整理がつくのですっきりします。
物語の面白さの種類
大まかに分類すると、以下の物があります。
・謎を楽しむ
・分かっている展開を楽しむ
・キャラクターを楽しむ
謎を楽しむ
すでに起こった出来事の謎を解く
ミステリーで殺人事件の真相を解くのはまさにこれです。
この面白さを扱うには、序盤で事件の結果を示して、読者に「どうしてこうなったんだろう?」と興味を持たせる必要があります。
これから起こる出来事を期待して楽しむ
ファンタジー・冒険物はだいたいこれです。
デスゲームもこれです。
最終的にどうなるのかというのを楽しみにして読みます。
この場合、先に起こる出来事=謎です。
ファスト映画・ファスト読書というネタバレをする動画の存在が問題になっています。
それで問題になるのがこの「謎を楽しむ」作品です。
謎が解けてしまうと物語の面白さの大半が消えてしまうので、ネタバレは致命的です。
分かっている展開を楽しむ
お約束の展開や、事前の評判などで、すでに展開が分かっていても、それでも見たくなる作品です。
いわゆる「この展開が熱い!」というやつです。
これも展開が分かっているので、ファスト読書問題は発生しません。
逆に言うと、ファスト読書で紹介してもらうと「この展開を読みたい」とプラスの効果が発生するかもしれません。
キャラクターを楽しむ
こっちは謎とは違う楽しさです。
キャラクターの掛け合いを楽しむ作品です。
こちらの作品は特に謎とか無いので、ファスト読書問題は発生しません。
むしろ、ネタバレをしてもなんの問題もない作品です。
実際には
それぞれの楽しみは別の物ですが、うまい作者になるとこれを混ぜて一つの作品に織り込んでいます。
例えば……
あらすじ:「捜査が暗礁に乗り上げた捜査員たちの前で名探偵が推理する」などと書くことで、名探偵が格好良く推理して警察が「そ、そんなっ!」と驚くところが推測できます。あらすじで「分かっている展開を楽しむ」という楽しみを読者に伝えます。
序盤:起こってしまった事件を示すことで、「すでに起こった出来事の謎を解く」という面白さを作り出します。
中盤:名探偵や脇役に愛着が湧いてきて、「キャラクターを楽しむ」という楽しみが生まれます。
こんな風に、一つの作品のいくつかの楽しみを入れることが出来ます。
ただ、メインがどの楽しみなのかは決めた方がいいでしょう。