キャラクターの演技についての記事です。
面白いストーリーはあらすじだけでもそこそこ面白いですが、そのストーリーに沿ってキャラクターが演技をすることでさらに面白くなります。
面白さ=ストーリーの面白さ+キャラクターの演技
ストーリーが十分に面白ければキャラクターの演技がそこそこでも面白くなりますが、ありきたりなストーリーでもキャラクターの演技が素晴らしければそれだけでも面白くなります。
なお、演技と表現は違います。
演技は「キャラクターがどう振る舞うか」ということであって、表現は「出来事をどのように描写するか」ということです。
表現は簡潔でも良いですが、演技を簡潔にしてしまうと非常に素っ気なくなってしまいます。
演技のレベル
例として、かわいいキャラクターが褒められてリアクションするシーンを使います。
適当なかわいいキャラクターを脳内に思い浮かべてください。
ここではその名前をレティシアとします。
「レティシアは褒められた」
はい、これはどうでしょうか。
褒められたという事実は書いていますが、リアクションを書いていません。
つまり、キャラクターは演技をしていません。
このレベルで小説を書いてしまうと、本当にプロットをそのまま文字に起こしただけのような残念な作品になってしまいます。
「レティシアは褒められて喜んだ」
喜んだというリアクションを書いているので、最低限のリアクションは書いています。
しかし、喜んだというのはどういうことでしょうか?
「うれしい」と口に出したのか、それとも表情に出たのでしょうか?
これを実際に人間に演じてもらうとしても、役者さんはどう演技していいかわかりません。
「レティシアは褒められて、笑顔を浮かべた」
かなり具体的なリアクションになりました。
実際の役者に演技してほしいと伝えれば、きっと演技できるでしょう。
このレベルで最低限の演技ができたと言えるでしょう。
しかし、演技というのはすごく凝ることができるのです。
ここからもっと凝った演技をさせていきましょう。
「レティシアは褒められて、少しはにかんでから笑顔を浮かべた」
いきなり笑顔を浮かべるのでは1アクションです。
そこに段階を加えることで2アクションにしました。
このほうがただ笑顔を浮かべるよりも印象的なシーンになることがわかりますよね?
しかし、これで限界ではありません。
もっともっとアクションを増やせます。
「レティシアは褒められて、少し困ったような顔で視線をキョロキョロと動かした。
それからようやく言葉を受け入れたようで、ゆっくりと頷いた。
そして、少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら笑顔を浮かべた」
ちょっとやりすぎなくらいにアクション数を増やしました。
このレベルの描写は重要なシーンだけで使うようにしないと、物語の進行スピードが非常に遅くなってしまいます。
「少し困ったような顔」で表情の1アクション。
「視線をキョロキョロ」で動作の1アクション。
「ようやく言葉を受け入れた」で感情の1アクション。
「ゆっくりと頷いた」で動作の1アクション。
「少し恥ずかしそうに顔を赤らめる」で表情の1アクション。
「笑顔を浮かべた」で表情の1アクション。
合計で6アクションしています。
このようにアクション数の多い演技をさせると、キャラクターを魅力的に見せることが出来ます。
演技の勉強の仕方
こういう演技は小説よりも映像作品の方が勉強に向いていると思います。
一般小説ならば、映画やドラマで勉強しましょう。
ただし、もちろんダメ演技な作品はダメです。演技が優れている作品を探しましょう。
ライトノベルならば、演技・演出が素晴らしいアニメから勉強するといいでしょう。
アニメは一般作品よりも演技がかなり過剰ですが、ラノベではそのくらいのほうが映えます。
ラノベで一般作品基準の演技をさせると地味すぎになってしまいます。