小説の書き方や、創作に役立つ本をまとめます。
自分でいうのも何ですが、買いすぎている気がします。
(いくら使ったんだろう……)
その中でも、特に面白かった物を紹介します。
技術書
小説に関する技術を淡々と解説している本です。
色々な小説の一部を抜粋して、「書き出し」「作者の介入」「書簡体小説」「内的独白」「驚き」などのカテゴリーごとに紹介していく本。
紹介されている小説が海外の作品でラノベとかWEB小説の世界から結構遠く、直接自分の創作に使えるとは思っていません。
しかし、紹介されている文章からイメージが広がることがあるので、片付けるに片付けられない本です。
個人的には二番目の「作者の介入」が好き。
翻訳本なので人によっては読みにくいかも知れないですが、めちゃくちゃ興味深かったです。
買って読め!!
これをネタ本にして記事をたくさん書けそうなくらい、濃い。
脚本の本なので、小説には少し当てはまらないところもありますが、ストーリーについてものすごく参考になります。
「なにも求めていないキャラクターには興味が持てない」「必ず対立が必要。キャラクターの意思がなんらかの妨害にあうこと」
プロになるための指南書
プロ作家を養成するために書かれている本です。
「趣味で」とか「楽しく」ではなく、「新人賞に応募して受賞するための長編の書き方」にフォーカスしている本です。
執筆準備の進め方のような実践的な知識もなるほどと思ったのですが、以下の言葉がぐっときました。
「たくさん読んでたくさん書き、たくさん応募してたくさん落選する」のは「しなければならない最低限の努力」です。
「面白いと思えない作品は、手本にしてはいけない」
感性のあわない作品を真似しようにも、真似ができないものです。
「時間が無いから書けない」「無駄働きだと思うと筆が進まない」「書き上げてしまうと自分の実力に直面してしまうのが嫌」といった長編小説が書けない「あるある」が列挙解説されています。
とくに「無駄働き」感は結構切実だと感じます。
億超えの年収を稼いだ作者が、その創作方法と出版社との駆け引きを語った本。
自分としては長編でこの創作法をやると破綻すると思うので、作者のタイプと作品の内容によって向き不向きがあると思います。
でも、読んでいて面白いし、文庫で安いので、買うのをおすすめします。
純文学小説の選考員としての経験を元にした指南書。
「選ぶ人間の選考員は強い立場で、選ばれる側は弱い立場」
「各賞の傾向を気にしているのは投稿者ばかりで、選考員はあまり気にしていない。(でも、レーベルは気にしているので)流行を書いた作品は編集者に落とされる」
「新人に求められているのは自由であること」
「読者は全体的に見回して感想を持つが、選考委員は痕跡を見つめて分析をする」
とか面白いことが書いてあります。
作家の自伝的な本
→書くことが多くなったので,この記事「スティーブンキング「書くことについて」の感想」を参照してください
「文庫で初版で四千部」とか結構厳しい状況が語られています。あとは、「新人賞を取らないでデビューしたらきつかった」とか作者の厳しい状況が語られています。
トンデモ編集者列伝はけっこう面白いので、作家志望なら読んでおくといいでしょう。
献本しまくる営業方法はなるほどと思いました。
小説執筆の心構えを語る本
この本を読んでも小説の技法は身につきません。
ですが、すごく自由な気持ちになれる本です。
「小説とは何か」について著者が愛たっぷりで語っているのが伝わってきます。
「小説は書くものじゃない、つかまえるものだ」というのはスティーブンキングの言っている採掘作業に似たものを感じます。
あの冲方丁が「小説家として生き残るとはどういうことか?」とガチで語っている本。
ちなみに、本文中で「私自身、そう大して売れている作家ではありません」と謙遜しているのですが、それを読んで「あんたが売れてないんだったら、どんな作家が売れてるって言えるんだよ!!」と盛大にツッコミを入れました。いくらなんでも謙遜しすぎ!!
「何のために書くか」という理由がしっかりとあれば書き続けられる、と言っています。
非常に染み渡りました。自分はその理由が弱いから、よく筆が止まるんですよね……。
自分のようにモチベーションに問題がある人は一読をお勧めします。
読者原稿の講評本
グインサーガで有名な栗本薫が、中島梓という別名で雑誌JUNE誌上で連載した小説入門講座のまとめ。
投稿されてくる小説自体はBL物と特殊だけど、その講評内容は小説全般に通ずる物だと感じました。
「ものを書くのは合評回で批評してもらうためじゃないぜ。読んでくれるあいてに、自分自身のイメージを伝えるためだ」
「『こんなこと誰も読んでくれないんじゃないか』などと思わぬ事。一番書きたいことを書いているキミだけがチャーミングで、しかも自由なのだ」
「とにかくモノ書きの基本は人をアッと言わせようということですぜ」
「読者ってのは、笑っていいのか泣いていいのか、いつも作者にのせられたがっているのだよ」
と、熱くてぐっと来る言葉が多くてめっちゃ良かったです。
小説家の対談本
小説家になるな!: 小説新人賞の受賞はホントに簡単 (トークメーカー新書)
編集後記の「小説家になりたい人がたくさんいるのに、 原稿を書いている人は少ない」という記述、グサッと来る人いません?
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小説家になるな!: 職業作家のリアル、それでもなりたい人へ (トークメーカー新書)
編集後記の「小説にはうまい書き方があるのだと信じる人が多すぎます」という言葉がグサッときました。
実際、執筆スタイルはその人の個性で大きく異なり、正解はありません。
自分の執筆スタイルは教えることが出来ても、その人の執筆スタイルはその人自身で探さないといけないんですよね。
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