物語に使える『スパイス』部品

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このサイトでは基本的に、物語の展開を感情に分類して取り扱っています。

特定の感情を引き起こす展開をメインストーリーに組み込むことで、読者に楽しんでもらうという考えです。

でも、メインストーリーに影響しないけどあると楽しい要素というのがあります。

メインストーリーに関係なくスパイスのように使える要素をとりまとめました。

 

目次

個性的なキャラクター

主人公以外に色々な登場人物が出てくると思いますが、そのキャラクター達に個性を持たせることで物語がおもしろくなります。

その個性をメインストーリーで活かしてもいいですが、別にメインストーリーに関係しない小ネタ程度の扱いでも結構面白くなります。

見た目と性格にギャップがある

外見は清楚なお嬢様なのに、話すと訛りが強くてサバサバした性格だとか。

強そうな外見の戦士が、話してみると気弱だとか。

気弱そうな少年なのに、実は凄く残忍で凶暴だとか。

中身と外見にギャップを持たせると、それだけで読者の目を引きます。

そして、そのギャップをあまり活かしていない作品も結構ありますが、それでも読者は意外と楽しんでくれています。

つまり、その後の活用をあまり考えずに登場させるだけでも読者は楽しいので、とてもお得なスパイスです。

主人公大好きな異性キャラ

いわゆるヒロインではなく、恋人関係にならないタイプの異性キャラが主人公を凄く好きというスパイスです。

例えば、「十代主人公に十代のヒロインがいて、そこに年上のお姉さんキャラが居て主人公をすごく好き」というパターンです。

ヒロインにはならないのでメインストーリーに関係なく、時々お姉さんキャラが絡んでくるというスパイスとして使えます。

メインのヒロインに対して、年上か年下にするか、すでに恋人・結婚相手がいることにすれば大抵使えます。

主人公が女性の場合でも同じです。

メインとなる恋愛相手が居て、そのメインの相手に対して年上とか年下を出せばいいのです。

大学生の女性主人公に対して、小学生の男の子がめちゃくちゃ求愛してくるとか、かわいいしメインストーリーに影響なくて、よいスパイスになります。

主人公大好きな同性キャラ

恋愛関係ではなく、単純に主人公をものすごく大好きな同性キャラクターです。

女性キャラだと、「○○(主人公)のこと大好きなんだー。私が男だったら結婚したいよー」という感じのキャラクターですね。

男性キャラだと少し扱いが難しくて、女性キャラのようにベタベタしてしまうと、読者に引かれてしまいます。

(女×女のベタベタは許されるが、男×男のベタベタはBLの世界以外では嫌われやすい)

そのキャラクターを思いっきりギャグキャラにしてしまうか、兄貴キャラとして絡んでくるタイプにすることで、多少緩和できます。

同世代同士のベタベタはBL以外ではほぼアウト判定されます。

リアクションがオーバーなキャラ

読者は登場人物の反応を通して間接的に感情を受け取るので、登場人物のキャラの反応が悪いととても淡々とした物語になってしまいます。

特に主人公を冷静キャラにしてしまうと感情的な起伏が弱くなってしまうので、物語の起伏が読者に伝わりにくくなります。

そんなときに使えるのがリアクションがオーバーなキャラクターです。

「な、なんだってー!」とか「おい、どうするんだよ!」と騒がせまくりましょう。

美人や強そうな相手に対してもよいリアクションをさせます。

主人公自体をリアクションよくするのもありですが、やり過ぎるとうざくなるというデメリットがあります。

そこの見極めはほどほどに。

自分の欲に忠実なキャラクター

大抵主人公は読者に反感持たれないように、そこそこ常識人に設定することが普通です。

しかし、そうするとあまりに真面目な話になってしまうので、サブキャラに欲に忠実なキャラクターを登場させると楽しくなります。

性欲に忠実で、女とみれば口説きまくる男キャラ、イケメンを見たら片っ端から迫りまくる女キャラ。

食欲に忠実で、おいしそうな物があれば一目散に向かうキャラクター。

金に忠実で、お金が儲かりそうな話に一目散に突っ込んでいくキャラクター。

体裁とか関係なく自分の欲に忠実なのはある意味気持ちがいいので、下品にならなければ意外と読者にも好かれます。

違和感があるキャラクター

貴族なのに言葉が荒いとか、明るく見えるけど時々影が見えるとか、なんでもいいので主人公や読者から見て違和感があるキャラクターを登場させると、読者の興味を引くことが出来ます。

顔が見えないキャラクター

フードをかぶるとかお面をつけるとかして顔を隠すと、読者は興味をひかれます。

しかも、隠していた意味を気にする読者は少数派です。

意味も無く顔を隠すだけで興味を引けるなんて、本当にいいスパイスです。

人外キャラクター

もし世界観が許せば、人外もキャラクターに加えてしまうのもありです。

ドラゴン・モンスター・神様etc

人間に擬態できるとなお良いですね。

ドMキャラ

ドMキャラは目立つし、一定のファンを期待できるのでおいしいキャラです。

「ならドSキャラもいいじゃないか」と思うかも知れませんが、ドSキャラは主人公につっかかってくるのでそういうのが嫌いな読者は嫌悪感を抱きます。

ドMキャラは主人公に害を与えてこないのでデメリットが少ないのです。

そういうキャラが好きな人は喜びますし、興味が無い人はスルーします。

デメリットが少なくピリッと味に変化を与える、まさにスパイスのような要素です。

 

変化するキャラクター

主人公や主要キャラクターだけではなく、サブキャラでも変化があると面白くなります。

その変化というのは大したものでなくていいのです。

・主人公をあなどっている→主人公の凄さを認識する

・犬が嫌いだった→犬が好きになる

・仲が悪かった→仲が良くなる

・「最悪最悪!」と嫌がっていた→「あー好きー。たのしー」と言うようになる

ちょっとしたことでいいので、変化があると人は面白く感じます。

逆に言うと、「悪役」とか「気弱な令嬢」とか性格が設定してあって、最後まで一切性格が変わらないと安っぽくなってしまいます。

 

トリックスター

きまぐれ、悪ふざけをするキャラクターです。

味方の場合もありますが、敵の場合もあります。

敵のトリックスターの場合は目的が不明にすると興味をひかれるキャラクターになります。

王道ストーリーでもトリックスターを入れると読者にとって予測が付かない展開になります。

 

師匠キャラクター

師匠キャラが居ると、やりとりのバリエーションが増えたり、いざというときに切り札として使えます。

例:物語を書いていたら絶対に主人公が勝てない状況になってしまったので、ご都合主義で師匠が現れて敵を代わりに倒してくれる。

あと、師匠が強いとなぜか弟子である主人公も誇らしい気分になれるので、快感という感情にもつながります。

 

エロ展開

ベタですが、やはり強力です。

強力だからこそ、これだけ使われるわけです。

エロに抵抗がなければ、スパイス程度に入れてみましょう。

問題があるとしたらエロは「味が濃すぎる」ことです。

エロ要素を強くすると他の要素がどれだけ良くてもエロ要素に注目が集まってしまいます。

エロをメインにするのでなければ、度合いには十分に気をつけましょう。

 

ちょっとしたセリフ

「ということはアレですか?」「アレですね」

おなじみの展開が来るときに、前置きとして置けるセリフです。

展開がそのまま始まるより、それを予感させるセリフがあった方が面白く感じる物です。

「~~してはいけません」

だれかにこのセリフを言わせます。

読者は「なんでそれをしてはいけないんだ?」「ってことはそれをやるのか?」といろいろ考えて、その先の展開に興味を持ちます。

「こんなところをあいつに見られたら」

というセリフの直後にその人を登場させます。

これだけで結構面白くなります。

 

気を引く展開

どこかに潜入する

堂々と建物に入るより、見つからないように建物に入った方が緊張感があって面白くなります。

隠れて行動する

台所のお菓子をつまみ食いするだけでも、堂々と食べるより誰にも見つからないように食べた方が緊張感が増します。

障害(ハードル)を高く見せる

主人公には目的があり、その前に障害があるわけです。

例えばモンスターを倒すのが目的だとしましょう。モンスター自体が障害です。

そのモンスターを倒す前に「あのモンスターは手練れの冒険者を殺した」とか「一人じゃ勝てるわけがない!」といったモブのセリフや、主人公自身の「勝てるかどうか……きついな」という内心の声などを置いてみましょう。

すると、その後の戦闘の難易度が同じだとしても、この描写があるとないとでは盛り上がり方が全く違います。

ハードルをものすごく高く「見せる」ことが読者の気分を盛り上げます。

ここで大事なのは、ハードルを高く「見せる」だけでよくて、ハードルが本当にめちゃくちゃ高い必要はないのです。

そこそこの障害(ハードル)を設置して、その障害がとんでもなく大きいように読者に「見せる」だけでいいのです。

羊頭狗肉ですが、有名な作品も普通にやっています。(絶対勝てないとものすごく盛り上げる割りに、実際に戦ってみると普通に互角だったり)

予期せぬ新たな障害

メインストーリーの障害というのは物語をとおして一貫しています。

しかし、そのメインの障害とは別の障害を突然提示すると、読者は気を引かれます。

・通り道の町が封鎖されていて別の道を探さないといけない

ひそひそ話

物語で必要な情報を示す際に、堂々と噂になっている話よりもひそひそ話で語られている情報を使う方が面白くなります。

なぜなら、人は裏話や表に出ない話の方に興味をひかれるからです。

 

違和感のあるシーン

現代人は大量に作品を見ているので、「こういうシーンはこういうものだ」という先入観があります。

それを外すことで違和感を発生させて、面白い感覚を作れます。

場所を変える

場所という要素を変えるのは一つの手です。

ただし、場所についてはいろいろやられてしまっている印象があるので、場所だけ変えても効果は薄いかも知れません。

酒場で仕事の話をする→コスプレバーで仕事の話をする

ファンタジー世界で森の中で戦う→主人公の家の中で戦う

王様が城にいる→王様が古民家カフェにいる

教会で祈る→トイレの中で祈る

 

 

戦闘中の賭け

ただ戦っていると単調になるので、「この技が成功すれば……!」みたいな感じで戦いの中で「賭け」要素を入れます。

賭けに勝ったら勝ちますが、その賭に負けると大けが・死亡のリスクがあります。

 

ちょっとした演出

新アイテムの登場

ちょっとしたアイテムが出るごとに「そ、それは!?」とモブキャラが驚く。

新キャラの登場

新キャラが出るたびに「あ、あなた様は!?」「あのお方が!?」とモブキャラが騒ぐ。

凄いキャラの登場

「な、なんという威圧感……」とかモブキャラに言わせておきます。

 

中二病的要素

失われた魔法・技術

今は存在しない魔法や技術というのは物語を盛り上げます。

ずっと謎にしておいて、いざというときに活躍させましょう。

 

 

 

 

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