小説の流派(プロット肯定派 VS 否定派)(キャラ主導 VS 物語主導)

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小説の書き方は様々です。

作家にとっても言うことは全く違います。

その流派を全部まとめて並べてみました。

目次

プロット肯定派 VS プロット否定派

小説家の中でまっぷたつに別れる流派です。

ある人は「プロットをきちんと作らなければ一行も書かない」といい、ある人は「プロットなんて信頼できない。キャラクターが動きたいように動けば物語が出来上がる」といいます。

プロット肯定派は、プロットを作らない人に「それではプロになれない。プロットを作れ!」と説教します。

プロット否定派は、プロットに凝っている人に「そんなことよりキャラクターをちゃんと作れ!」と説教します。

どちらも好き勝手に言っています。他の作家の話を聞くときは、その人がプロット肯定派なのか否定派なのか分かった上で聞く必要があります。

そうでないと話の意味が分かりません。

プロット肯定派

物語の道筋を事前に決めておくことで、物語が破綻せずに最後まで到達することが出来ます。

エンタメ分野の商業作家ではプロット派が多い印象です。

一定のクオリティの作品を安定して作るには事前の計画があったほうが安全ということでしょう。

プロット否定派

きちんと中身のあるキャラクターを作って、自由に動かすことで物語を作る作家です。

プロットを使うと類型的な物語になってしまうので、プロットを使わないことで新しい物語が作れるといいます。

キャラクターを自由に動かすので、そもそも書いてみないと話がどんな流れになるのかわからないので、事前にプロットを作ることは出来ません。

純文学的な作品を書く作者はこちらのプロット否定派が多い印象です。

私の見解

さて、ではどちらがいいのでしょう。

プロット肯定派と否定派は完全に意見が異なり、相容れる部分が無いように見えます。

しかし、私はすごく大事な事に気が付きました。

プロット否定派であってもその先の展望が全くのゼロということはほとんどありません。プロット否定派でもぼんやりと先は考えているのが普通です。

つまり、プロット肯定派と否定派の違いは、「先の展開をどの程度詳細に決めるか」でしかないと思うのです。

そう思うと、「大まかな章だけ考えておいて、その章の中身はアドリブで書く」という中間のスタイルもあるわけです。

 

物語主導 VS キャラクター主導

プロットの肯定派はだいたい「物語主導」で、プロットの否定派はだいたい「キャラクター主導」です。

物語主導

脚本術の本だとだいたいこちらです。

まず、伝えたい感情やジャンルがあって、それに合うようにキャラクターを設定していきます。

「物語のためにキャラクターがいる」という考え方です。

 

キャラクター主導

「こういうキャラクターが好きだ」という萌えのような感情があって、それを活かすように物語を構築します。

「キャラクターのために物語がある」という考え方です。

 

自分のために書く VS 市場のために書く

小説を書くとき、市場を意識して読者のトレンドに合わせて書くか、それとも自分の好きなように書くか、これも流派が異なります。

市場のために書く作家

市場とは現在の読者市場のことです。

このタイプの作家は現在の読者に受けそうな所を狙って作品を書きます。

例えば、小説家になろうのランキングのキーワードを収集し、受けそうなテンプレ要素を使い、作者自身の趣味はさておき、とにかく「大勢の読者」を掴むために書きます。

自分のために書く作家

ランキングや流行を気にせず、大勢の読者に受けようとは思いません。

自分が書きたいことをそのまま書きます。

私の見解

この対立は、ある程度両立可能です。

「読者受け:自分のため」の比率を「0:10」や「10:0」ではなく、「3:7」や「7:3」にするのです。

こうすると読者受けも良く、自分のためでもある作品が書けます。

自分のためだけに書いてしまうと他人に分かる物になりませんし、自分の趣味が一切入れずに市場分析だけで書こうとしても愛着が持てないのでペラペラな作品になってしまいます。

なので、こういう風に両方を入れるのはとてもよいです。

たまには、100%自分のための作品を書くのもいいですけどね。

 

メッセージが必要 VS メッセージなんて不要

メッセージとは「仲間は大事だ」「勇気は大事だ」「愛は大事だ」「諦めなければ人生は立て直せる」とかそういう作者の主張です。

それがあったほうが物語がよくなるという人も居れば、説教臭くなるしそもそも物語でメッセージを伝えても嘘くさいと指摘する人も居ます。

(フィクションなので、どんな主張をしても机上の空論に聞こえてしまう)

 

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